文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ロダーリ『猫とともに去りぬ』

ロダーリ 関口英子訳

『猫とともに去りぬ』 光文社古典新訳文庫

 

ロダーリ(1920-1980)の『猫とともに去りぬ』を読了しました。イタリアでは広く知られた児童文学作家のロダーリですが、私は本書を手に取るまで彼のことをまったく知りませんでした…。物語の創作方法について語った著作など、古くから邦訳も存在していたようなのですが、これまで目にすることはありませんでした。

 

独特の風刺が効いた作風で、本書を読みながら「そういえば昔に読んだ児童文学の『ノリ』はこんな感じだった」という懐かしい気分に襲われました。私が抱いたそんな感想自体が、ロダーリが説いているという「ファンタジーの文法」があまねくこの東洋の島国まで及んでいることの証左なのかもしれません。

 

【満足度】★★★☆☆