文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

スティーヴン・ミルハウザー『ナイフ投げ師』

スティーヴン・ミルハウザー 柴田元幸

『ナイフ投げ師』 白水社

 

スティーヴン・ミルハウザー(1943-)の『ナイフ投げ師』を読了しました。12編の短編が収められた本書ですが、原書は1998年に刊行されています。柴田氏の翻訳で、日本でも人気の高いミルハウザーですが、そのおかげで古本屋に海外文学が流通して、手軽に手に入れやすくなるのであれば、それは大変ありがたいことです。

 

自動人形をテーマにした「新自動人形劇場」、遊園地をテーマにした「パラダイス・パーク」など、その記述の細部に宿るミルハウザーのマジックを楽しみたい人にとっては、有意義な読書体験ができる作品ではないかと思います。私はといえば「夜の姉妹団」に不思議な凄みを感じさせられました。表題作である「ナイフ投げ師」も、とてもうまい作品だと思いました。

 

【満足度】★★★☆☆