文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

伊藤邦武『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか』

伊藤邦武

『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか』 ちくまプリマー新書

 

伊藤邦武の『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか』を読了しました。筑摩書房には「ちくま新書」レーベルがありますが、この「ちくまプリマー新書」はヤングアダルト向けのコンパクトな入門書がラインナップされています。本書の帯には「いちばんやさしい哲学入門」と記されています。

 

著書『偶然の宇宙』など、宇宙論に関心や造詣の深い著者ですが、本書で展開されているのは「宇宙」をひとつのテーマとした古代・近世・現代の哲学への手引きとなる論述です。具体的にはプラトンのデザインされた宇宙、カントのアンチノミーによる理性批判、そして、ウィトゲンシュタイン言語ゲームやクーンのパラダイム論などを手引きとして、哲学的議論が紹介されています。私がもっと若いときにこの本を読んでいたらどのように感じていたでしょうか。

 

【満足度】★★★☆☆