文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

アリス・マンロー『林檎の木の下で』

アリス・マンロー 小竹由美子訳

『林檎の木の下で』 新潮社

 

アリス・マンロー(1931-)の『林檎の木の下で』を読了しました。2006年に発表された本書はスコットランドから海を渡ってアメリカ大陸へと移住したマンローの家系の歴史を綴る短編集です。原書のタイトルにはちょうど大西洋を渡る家族の様子を描いた作品である「キャッスル・ロックからの眺め」が当てられているのですが、なぜか邦訳では別の短編である「林檎の木の下で」がタイトルとして付せられています(なぜだか、個人的にこういうところが気になってしまいます)。

 

不思議な読み心地のする短編集で、本書のカバーに記された『アトランティック・マンスリー』書評の「本書だけが当てはまるまったく新しいジャンルを創出している」というコメントにも頷かされます。

 

【満足度】★★★☆☆