G・ガルシア=マルケス『愛その他の悪霊について』
G・ガルシア=マルケス 旦敬介訳
『愛その他の悪霊について』 新潮社
G・ガルシア=マルケス(1928-2014)の『愛その他の悪霊について』を読了しました。『コレラの時代の愛』と同様に愛をテーマにした作品です。短めの長編小説というか、中編小説といっても差し支えない長さになっています。狂犬病の犬に噛まれた少女シエルバ・マリアは悪魔憑きの疑いをかけられて隔離され、そこに悪魔祓いのために訪れた青年神父カエターノ・デラウラとの間にやがて生まれる激しい愛情が主題となっています。
本書において現実と幻想との連続性を繋ぐ媒介となっているのは悪霊と愛であり、その両者についても不分明な溶け合いのなかで描かれています。
【満足度】★★★☆☆