文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ピエール・ルメートル『監禁面接』

ピエール・ルメートル 橘明美

『監禁面接』 文春文庫

 

ピエール・ルメートルの『監禁面接』を読了しました。グロテスクな悪意をグロテスクな悪意のままに描くこと、そしてその悪意に亀裂を入れるためには多くの犠牲を伴わなければならないことを作者は知悉していて、それが作品の面白さと醜悪さに繋がっているのだと思います。仕事小説(?)としては身につまされる部分もあって、読んでいて複雑な気分にもなるのですが、一冊の小説としては面白く読むことができました。

 

【満足度】★★★★☆