文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

大江健三郎『叫び声』

大江健三郎

『叫び声』 講談社文芸文庫

 

大江健三郎の『叫び声』を読了しました。本書は著者のキャリアの中でも比較的初期に属する作品で、長編作品としては『遅れてきた青年』(1962)と『日常生活の冒険』(1962)の間にあたる1963年に発表されています。ずっと読めていない作品だったのですが、今回初めての読書となりました。

 

本書を悲痛な苦悩に満ちた若者の叫びを表現した作品と読むのか、時にはブラックユーモアのテイストも感じさせる青春小説と読むかは、人によって分かれるのではないかと想像しますが、どうでしょうか。私自身についても、もう少し若い頃に本書を読んでいたとすればまた違った感想を抱いたのかもしれませんが。

 

【満足度】★★★