『現代哲学のキーコンセプト 真理』 岩波書店
チェイス・レンの『現代哲学のキーコンセプト 真理』を読了しました。「真理」をめぐる現代哲学の様々な立場と論争をコンパクトにまとめた教科書的な書物です。著者は本書において、タルスキの意味論的な真理論や、相対主義にまつわる問題などに触れた後、真理の認識説、対応説、デフレ理論、多元主義などにまつわる論点を手際よくまとめ、最後に著書自身が与するという方法論的なデフレ主義の持つメリットを主張しています。
まさに教科書といった内容の本で、最近の哲学研究の営みを端的に伝えるレポートのようなものにもなっていると思うのですが、どこか複雑な思いも抱いてしまうのでした。
【満足度】★★★☆☆