文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

バートランド・ラッセル『哲学入門』

バートランド・ラッセル 高村夏輝訳

『哲学入門』 ちくま学芸文庫

 

バートランド・ラッセル(1872-1970)の『哲学入門』を読了しました。本書の原題は“The Problems of Philosophy”で発表されたのは1912年、ホワイトヘッドとの共著『プリンキピア・マテマティカ』とほぼ同時期です。

 

かように本書はラッセルのキャリアにおいて初期ともいえる時期に著されたもので、生涯において自身の哲学的立場や考えを更新していくこと(そしてそれを表明すること)に躊躇いのなかったラッセルにとって、本書において表明されたいくつかの考え方は、後年においては否定されるべきものとなるわけですが、広範な哲学的主題を手広く的確に論じながら自身の考えを推し進めていく論述はさすがというべきものになっています。

 

【満足度】★★★☆☆