文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

『カート・ヴォネガット全短編 4 明日も明日もその明日も』

大森望 監修・浅倉久志 他 訳

カート・ヴォネガット全短編 4 明日も明日もその明日も』 早川書房

 

カート・ヴォネガット全短編 4 明日も明日もその明日も』を読了しました。ヴォネガットの短編全集は本書で最後となります。「ふるまい」、「リンカーン高校音楽科 ヘルムホルツ主任教諭」、そして「未来派」と、短編の分類セクションもトリッキーなものとなっていますが、合計5作品が収められた「ヘルムホルツ主任教諭」を通読すると同一人物を主人公とした連作短編集のような趣もあります。

 

投資顧問会社のセールスマンが語るポートフォリオのあり方に、短編作家としてのヴォネガットの新鮮な魅力を再発見しつつ、やはり長編作家としてのヴォネガットの偉大さを思い知らされる読書だったような気がします。いずれにしても、こうして短編全集を刊行してくれた早川書房には心からの賞賛の気持ちを送らせていただきたいと思います。

 

【満足度】★★★☆☆