文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

アップダイク『クーデタ』

アップダイク 池澤夏樹

『クーデタ』 河出書房新社

 

アップダイク(1932-2009)の『クーデタ』を読了しました。アフリカの架空の国家「クシュ」を舞台にした小説で、アップダイクの異色作ともいえる小説です。池澤夏樹氏による個人編集の世界文学全集の一冊です。

 

マジックリアリズムの手法を意識しているのだと思いますが、霊的なものと現実的なものを連続的に描く様は『イーストウィックの魔女たち』などの作品にも通じるところがあるのかもしれません。そして同作と同様に、私自身はあまりこの作品にのめり込むことができませんでした。アメリカを外から描くというよりは、新奇なものに淫してみたという印象が強く、もっと違う時期に読んでいればまた違った感想を持ったのかもしれないのですが。

 

【満足度】★★★☆☆