乗代雄介
『旅する練習』 講談社
乗代雄介の『旅する練習』を読了しました。第164回芥川賞候補作となった作品で、乗代氏は常連の候補者となりながら、このときも受賞には至りませんでした。本書は岡山市の主催する坪田譲治文学賞を受賞していて、大人も子どもも楽しめるという広い意味での児童文学の文脈からも評価されている作品です。
おそらくは、賛否両論というか、かなり議論を呼びそうな結末も含めて、物語が良くも悪くもドラマチックな展開を見せるのは、乗代作品の特徴のひとつであり、作者の文学的な矜持の現れであるようにも感じられます。私自身の感想についていえば、今回の作品に対しても非常に満足度は高く、引き続き氏の作品をフォローしていきたいと思うのでした。
【満足度】★★★★☆