『ヴァリス[新訳版]』 ハヤカワ文庫
フィリップ・K・ディック(1928-1982)の『ヴァリス』を読了しました。カバー裏に書かれた粗筋などから、本書が問題作という位置づけであることは知っていたのですが、読み進めるうちに(そのことに)合点がいく部分がありました。本書で展開される哲学・神学論争を面白がるには、私自身がグノーシスやゾロアスター教に関する背景知識にも乏しく、それを抜きにして物語だけを楽しむには困難な作品になっているように思います。
筋金入りのディックファンならば楽しんで読むことができる作品なのかもしれませんが、つまりは、本書を読んで面白がることができるほどに、私がディック作品にのめり込めていないということなのかもしれません。
【満足度】★★☆☆☆