文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

吉村達也『鳥啼村の惨劇』

吉村達也

『鳥啼村の惨劇』 徳間文庫

 

吉村達也の『鳥啼村の惨劇』を読了しました。「惨劇の村五部作」の第二作目にあたる作品で、事件の舞台となる架空の「村」の所在場所として設定されているのは、東京都の青ヶ島という実在の島です。GoogleMapなどによって見知らぬ土地の風景にいともたやすくアクセスできるという体験は、その容易さゆえにいささか興ざめな部分はあるにせよ、それを補うだけの旅への郷愁を感じさせてくれます。小説を読みながら、現実としては訪れがたい島への旅を夢想するのでした。

 

【満足度】★★★☆☆