文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

吉村達也『月影村の惨劇』

吉村達也

『月影村の惨劇』 徳間文庫

 

吉村達也の『月影村の惨劇』を読了しました。シリーズの四作目となる本書は、どちらかというと番外編といった位置づけの作品で、前作以上に予定調和から外れる異色作となっています。ミステリーとしてのトリックを期待する読者は、かなりの確率で裏切られてしまうのではないかと思うのですが、芸能界の裏側を描く物語としては、通俗的ではありますが、読ませるものはあります。ドラマとしての終幕の作り方にはこだわりが感じられるのですが、いささかバランスが悪い部分も見受けられるように思います。

 

【満足度】★★★☆☆