文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

赤川次郎『象牙色のクローゼット』

赤川次郎

象牙色のクローゼット』 光文社文庫

 

赤川次郎の『象牙色のクローゼット』を読了しました。21歳を迎えた主人公が巻き込まれるのはサイコスリラーを思わせるような殺人事件で、「青春ミステリー」を標榜しながらも作品全体としてはいつものようにどこか陰鬱な空気が漂っています。ほんの一瞬だけ登場する人物などに注目すると、今後のシリーズ作品に向けて作者が伏線を張ろうとしていることも見て取れるのですが、一冊の作品として読むというよりは、そのように大河小説として読まれるべき作品なのでしょう。

 

【満足度】★★☆☆