文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

宗田理『ぼくらの天使ゲーム』

宗田理

『ぼくらの天使ゲーム』 角川文庫

 

宗田理の『ぼくらの天使ゲーム』を読了しました。映画化もされた『ぼくらの七日間戦争』の続編となる作品ですが、中学生の妊娠や死、暴力団との対峙など、なかなかハードな展開を迎えることとなります。以前に読んだときはその点に前作とのギャップを感じてしまって少し戸惑った覚えがあるのですが、あらためて本書を読み返してみると、作者が当時の社会的な問題を作品の中に盛り込もうと腐心していることがよく分かります。そのバランス感覚がよくできていて、本シリーズが単なるジュヴナイルではなく長く読み継がれる作品となっているのは、そのあたりに秘密があるような気もします。

 

【満足度】★★