文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』

フリオ・リャマサーレス 木村榮一

『黄色い雨』 河出文庫

 

フリオ・リャマサーレスの『黄色い雨』を読了しました。現代スペイン文学という私にとっては未知の領域の作品でした。

 

表題作で描かれたアイニェーリェ村は実際に存在するものであるという巻頭に置かれた言葉は、その言葉に続いて描かれる黄色い雨の中に沈んでいく幻想的でありながら静かに破滅的な風景と心象に、不思議なニュアンスを与えるものになっているように思います。熱狂的なファンがつく作品であるという事実にも頷かされます。

 

【満足度】★★☆☆