文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

佐藤友哉『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』

佐藤友哉

フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』 講談社ノベルス

 

佐藤友哉の『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』を読了しました。第21回メフィスト賞受賞作品で、以前に文庫で読んだ記憶があるのですが、今回はノベルス版で読むこととなりました。佐藤氏の作品は新本格というミステリーの文脈ではあまり評価されることがなく、やがて作者は「一般文芸」の方に作家活動の軸足をシフトさせて三島由紀夫賞を受賞することになります。今回あらためて読み返してみて、ミステリーとしての面白さ(というかプロットの意外性)についてしっかりと感じ取ることができたように思うのですが、刊行当時(2001年)は同時代の小説としての新しさの方が印象として勝っていたということなのでしょうか。

 

【満足度】★★★☆☆