文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ドストエフスキー『白夜/おかしな人間の夢』

ドストエフスキー 安岡治子

『白夜/おかしな人間の夢』 光文社古典新訳文庫

 

ドストエフスキー(1821-1881)の『白夜/おかしな人間の夢』を読了しました。中編作品「白夜」はデビュー3年後のドストエフスキーが27歳の時に発表された作品で、白夜の四日間を舞台に若い男女の幻想的で霊的な恋愛模様が描かれます。高校生のときに角川文庫の翻訳で読んだ記憶があるのですが、主人公の青年にはまったく共感することができず、おそらくそのときの私はここで描かれているのが恋愛ではなく何か別のものなのだということに気が付かなかったのだと思います。

 

その他に「キリストの樅の木祭りに召された少年」、「百姓のマレイ」、「おかしな人間の夢」、「一八六四年のメモ」の4作品が収録されています。長編作品が有名なドストエフスキーですが、子ども向けのクリスマス物語や論文といった性質の短文まで、バラエティ豊かな編集になっていると思います。

 

【満足度】★★★☆☆