文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

吉村達也『三十三人目の探偵』

吉村達也

『三十三人目の探偵』 角川文庫

 

吉村達也の『三十三人目の探偵』を読了しました。以前にドラマ化されたこともあるらしい本書は作者の初期のノンシリーズ作品です。現代の長大なミステリー作品に慣れてしまった身からすると、文庫本にして300ページに満たない本書をあらためて読み返してみると、暗号解読をメインにしてほぼ唯一のトリックに据えている点も含めて、いささか軽量級の作品と感じられてしまうのですが、なぜだか愛着を感じてしまう作品です。

 

作者によるあとがきで本書は「大人のために書いた青春ミステリー」とされていますが、その萌芽が今回の再読においても快いかたちで感じられて、楽しい読書となりました。

 

【満足度】★★